イタリアワインについて

イタリアはフランスよりもワイン造りの歴史が長く、イタリア20州中すべての場所でワインが造られています。

加えて20州ごとにそれぞれ個性豊かな品種が植わっており、異なるスタイルのワインを造っています。 

 

イタリアワインは、ヨーロッパ諸国の中ではコストパフォーマンスが非常に高く、手軽に飲めるワインを多く造っています。

一方で、バローロやバルバレスコ、フランチャコルタのように、素晴らしい品質の高級ワインやマニアックなワインも多数存在します。


イタリアワインの格付け

DOCG   "Denominazone di Origine Controllata e Garantita"    (統制保証付原産地呼称)

イタリアの一番上の格付けワイン

DOCGの地位は限られた地域に与えられ、生産者たちはその地位に必要な資格を取らなければなりません。

DOCG申請の前に少なくとも5年間DOCの地位を認められ、視覚・嗅覚・味覚検査に合格し、特にワインの最低生産量という条件を承諾することが決められています。

その目的は、確実に一番良い地域だけがDOCGの地位を与えられ、より良いエステイトだけがDOCGの地位を認められるためです。

DOC   "Denominazione di Origin Controllata"            (統制原産地呼称)

イタリアの上位2番目の格付けワイン

生産地、ブドウ品種などが限定され、栽培方法、最大収穫量、醸造方法、熟成方法、最低アルコール度数等、生産過程が規定の必要条件を満たしているか審査され認められます。

IGT   "Indicazione Geografica Tipica"                 (地域特性表示)

イタリアの上位3番目の格付けワイン

ワインの生産地域、認められているブドウ品種、その地域での最大生産量、アルコール最低度数など様々な仕様を条件として要求しています。

※生産者の中には、IGT規定の下で”独創的なワイン製造” をおこない、極めて優れた高級ワインを造っています。

VdT   "Vino da Tavola"                         (テーブル・ワイン)

一番下の格付けワイン

イタリアの最も制限が少ない規定で、それゆえ独創的なワインメーカーが自由な製造を行っています。

これらのワインの大多数はとりたてて興味を引くものではありませんが、その中に時として素晴らしく良いワインに出会うことがあります。 

その他の呼称

イタリアワインのラベルに表記されている呼称は次のように定められてきています

Classico (クラシコ):DOCやDOCGと本来定義されている地域からのワインにのみ適用され、さらにランクが上のワイン。

Riserva (リゼルヴァ):地域で定められた通り少なくとも2年間熟成させているワイン。

Superiore (スペリオーレ):地域で規制されている基準より少なくとも1%高いアルコール度数を含有していなければなりません。

Novello (ノヴェッロ):解禁ワイン ノヴェッロ (新しいという意味)。販売は11月6日から解禁です。


代表的な州のイタリアワインなど

北イタリア

ピエモンテ州

州都はトリノ。

イタリア北部で最も重要な生産地です。

ネッビオーロ種から作る「バローロ」や「バルバレスコ」などの高級赤ワインの産地として知られています。

ロンバルディア州

州都は大都市のミラノ。

レストランも多く日常ワインから高級ワインまで種類も豊富、全体のレベルが高い州です。

瓶内二次発酵方式で作るスパークリングワイン「フランチャコルタ」が有名です。

 

ヴェネト州

州都は水都ヴェネツィア。

平野部が多くブドウ栽培が盛んでワイン生産量は20州で第1位の規模を誇ります。

白ワインの比率が多く、全体の約67%を占めています。

エミリア・ロマーニャ州

州都はボローニャ。

チーズの王様パルミジャー・レッジャーノや、パルマの生ハムなどがあり、美食の州としても知られています。

微発泡性赤ワイン「ランブルスコ」などが有名です。

リグーリア州

州都は港町のジェノヴァ。

州内で消費されるカジュアルなワインの生産がメインです。

 

 

トレンティーノ・アルトアディジェ州

イタリア最北の州。

北部のアルトアディジェはドイツ語圏、南部のトレンティーノはイタリア語圏の

ため、ワインボトルにはドイツ語とイタリア語が併記されます。ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)やリースリングなどの国際品種も作られています。

赤ワイン、白ワインともバランスよく作られています。

フリウリ・ヴェネッチア・ロマーニャ州

イタリア北東部の州。

オーストリアとスロヴェニアに接し、比較的冷涼な気候から白ワインの生産が盛んで、全体の約70%を占めています。

 


イタリア中部

トスカーナ州

州都はフィレンツエ。

イタリア中部で最も有名な生産地です。

サンジョベーゼ種で作る「キャンティ・クラシッコ」や「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の他、フランス系品種で作るスーパートスカーナなどが有名です。

州の生産量のうち約85%が赤ワインです。

マルケ州

ヴォルデッキオ種から作る白ワインなどが知られています。

 

アブルッツォ州

比較的カジュアルなワインが多く、赤ワイン「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」などで知られています。

ウンブリア州

州都はペルージャ。

赤ワインの「モンタファルコ・サグランティーノ」などが知られています。

 

 

 

ラッツィオ州

州都はイタリアの首都ローマ。

比較的カジュアルなワインが多く、生産量のうち約80%が白ワイン。

モリーゼ州

イタリアで2番目に小さな州でワインの生産量は少なめです。

 


イタリア南部

カンパーニャ州

州都はナポリ。

古代ローマ時代よりワインの生産が盛んでアリアニコ種から作る赤ワイン「タウラージ」などが知られています。

 

バジリカータ州

ワインの生産量は少ないですが、標高が高い地域でブドウ栽培がされており、南部の中では比較的冷涼な地域で赤ワイン等が作られています。

シチリア州

島のシンボルはエトナ火山。

ネロ・ダーヴォラ(現地名:カラブレーゼ)などの地ブドウが栽培されています。

標高の高い地域でブドウ栽培がなされており、カジュアルな価格帯ながらも品質の

良いワインを作る地域として近年注目されています。酒精強化ワインの「マルサラ」も有名です。

プーリア州

かつてヨーロッパの酒蔵と呼ばれていた程ワイン作りが盛んで国内でも生産量で

上位に入る州ですが、D.O.Pワインは14%と少なめです。カジュアルなワインも多く、プリミティーヴォやネグロアマーロといった品種が栽培されています。

 

カラブリア州

ブーツ形の国土のつま先部分に位置する州。

ガリオッポ種から作る赤ワイン「チロ」などが知られています。

サルデーニャ州

欧州のリゾート地で有名です。

ヴェルメンティーノ種を使った白ワインなどが作られる他、カラスミやワインコルクの産地としても知られる島です。